むし歯ってどんな状態?
むし歯とは
むし歯菌が出す酸によって歯が溶ける状態を「むし歯」といいます。むし歯は自然治癒しないので、発症したら早めに歯医者に来院し治療を受けましょう。初期のむし歯は痛みがほとんどなく、気づかない可能性があります。また、気づいていても「痛くないから大丈夫」と放置しておくと、症状が進行して激しい痛みを感じたり、抜歯が必要になったりする恐れがあるので油断は禁物です。
むし歯治療は、初期であるほど簡単に治療でき、費用や期間もそれほど負担にならないので、できるだけ早期治療が行えるよう心がけましょう。
むし歯の原因
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細菌
人間の口内にはさまざまな種類の細菌が生息しています。口内に必要な菌も存在していますが、むし歯や歯周病の原因となる菌も生息しているので、日頃のセルフケアやプロケアで菌をコントロールすることが大切です。
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歯質
毎日同じように歯磨きしていても、むし歯になりやすい人となりにくい人がいます。それは歯質や年齢が影響していますが、そのほかにも、食事内容や食事の仕方、フッ素を使っているかどうかなどにも左右されます。
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糖分
糖分はむし歯菌のエサになるため、普段から糖分の多い食べ物を摂っているとむし歯リスクが上がります。甘いものの摂り過ぎに注意しましょう。
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時間
食事中はむし歯菌が活発になって口の中が酸性に傾き10分くらい経つと歯は溶け出します。そのため、食事ををしたあとは早く中性に戻すことが大切です。また、間食の回数多いダラダラ長い食事もむし歯のリスクを上げます。
むし歯の進行
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C1
歯の表面のむし歯
むし歯によって、歯のエナメル質が溶かされた状態です。表面だけなので痛みなどの自覚症状はほとんどありません。むし歯菌に溶かされた部分を削り、レジンという素材を詰めることで治療ができます。
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C2
象牙質のむし歯
歯のエナメル質のさらに奥の層にある象牙質にまでむし歯が進行した状態です。冷たいものがしみるなどの症状が現れる事があります。むし歯に感染した部分を削り、詰め物や被せ物をして治療します。
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C3
神経に達したむし歯
歯の象牙質のさらに奥の層にある髄腔にまでむし歯が進行した状態です。髄腔とは、神経や血管が集まっている場所なので、そこがむし歯に侵されると激しい痛みを感じます。ここまで進行すると、歯の神経を抜くなどの根管治療が必要です。
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C4
歯の根っこのむし歯
歯のほとんどがむし歯によって溶かされた状態です。神経も壊死し、痛みすら感じないケースもあります。歯根にはたくさんの血管があり、全身へと血が流れているので、むし歯によって増殖した細菌が血管を通って全身へ悪影響を及ぼす可能性が高いです。早急に治療が必要ですが、ほとんどの場合は抜歯することをすすめられます。
大きなむし歯には根管治療
根管治療とは
根管には歯の神経と血管が根のように張り巡らされています。むし歯が神経にまで進行している場合、神経を抜くだけでなく、根管の細かい管内をキレイに清掃する必要があります。これを根管治療といいます。根管は複雑な形状をしており、その細部まで肉眼で確認することはできません。難治性の場合は外科的な療法が必要になる場合もあります。根管内がきれいであることを確認できたら、根管内を充填します。
根管治療では2つのファイルを使い分けています
根管は非常に細かい管です。感染した汚れを除去するために「ファイル」と呼ばれる細長い針状の器具を使用します。当院でのファイルにはステンレス製とニッケルチタン製の2種類のファイルがあります。ニッケルチタン製のファイルは柔軟性が高く、複雑な形状の根管に適しています。治療の精度を向上するために、ステンレスファイルとニッケルチタンファイルを、状態に応じて使い分けています。
歯周病ってどんな病気?
歯周病とは
歯周病とは、歯と歯の間や、歯と歯茎にできる歯周ポケットと呼ばれる部分にプラークや歯石がたまることで、細菌が毒素を排出し歯肉に炎症を起こす病気です。進行すると歯を支える骨を溶かし、歯が抜け落ちてしまう事があります。歯周病の初期は自覚症状がないので、気づかないうちに重症化してしまう人も多いです。日本人の成人の約8割が発症していると言われており、歯を失う原因の大半を占めているので、まずは検査を受けてご自分のお口の状態を把握することが大切です。
歯周病と全身疾患の関係
歯周病は歯を失うリスクが高まるだけでなく、全身の健康と関係しており、さまざまな病気を引き起こす一因になると言われています。
- 脳梗塞
- 誤嚥性肺炎
- 早産・低体重児出産
- 心筋梗塞
- 骨粗しょう症
- 肥満症
- 糖尿病
歯周病の進行
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第1段階
歯肉炎
歯肉炎になると、歯ぐきが炎症を起こし、腫れるようになります。この段階で速やかに治療を受け、歯に付着した歯垢や歯石を除去し、正しいブラッシングを心がけると、炎症が改善します。
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第2段階
軽度歯周炎
歯ブラシのわずかな刺激でも、歯ぐきから出血するのが特徴です。歯周ポケットは深くなり、歯と歯の間にも隙間が生まれることで、歯石も増えてきます。結果的により歯周病が進行しやすくなるのです。
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第3段階
中等度歯周炎
歯を支えている骨の破壊が進んでいる状態です。歯周ポケットが非常に深く、歯根の周辺には「歯肉縁下歯石」という、血液を含んだ茶色い歯石が付着していることもあります。歯ぐきの知覚過敏により、痛みやしみるなどの自覚症状が強くあらわれます。
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第4段階
重度歯周炎
歯を支えている骨の大部分がすでに失われています。歯を支えること自体が困難になり、抜けてしまう可能性がある状態です。また、歯根に膿が溜まっている場合は、口臭がひどくなる原因にもなります。
歯周病の治療
歯周基本治療
歯周病治療の基本は「口内を清潔に保つこと」です。毎日の歯磨きでしっかり汚れを落とせるよう、当院では歯磨き指導を行い、正しい歯磨き方法でセルフケアできるようサポートしています。歯磨きだけでは除去しきれない歯石やバイオフィルムは、歯科医院で専用の機械や薬剤を用いて除去します。歯周病予防、および治療を確実かつ効率的に進めるためにも、当院でのお口のメインテナンスをおすすめしています。
SRP
SRPとはスケーリング・ルートプレーニングの略で、歯や歯茎付近に付着したプラークや歯石などを専用の器具を使って取り除く処置です。固く付着してしまった歯石は、通常の歯ブラシでは除去することができないため、キレイにするためにはこのSRPが不可欠なのです。
歯周外科治療
当院では、歯周病に関する外科治療にも対応しています。歯周病が重症化すると外科治療が必要となるケースもあります。まずは現在の患者さんの口腔内環境を知ることから始めましょう。症例によっては専門性の高い医院を紹介することもあります。患者さんの口腔内環境や症状に合わせた最適な治療方法をご提案しますので、お気軽にご相談ください。
定期健診で歯周病を
予防しましょう
初期の歯周病は自覚症状がなく、発症していることになかなか気づけないケースが多いです。痛みを感じる頃には症状がかなり進行している状態になります。歯周病によって歯を失わないためには早期発見・早期治療が重要なポイントです。歯科医院で定期的な検診・メインテナンスを行うことで、歯周病の重症化を防げます。